外観
序文
この世界に降り立ったあなたがまず目にするのは、煌びやかなネオンサイン。
都心は活気に溢れ、忙しなく働くロボットたちの姿はどこか微笑ましく映るだろう。
耳をすませば、人々の笑い声。家族連れで賑わう人工公園は、自然のそれに見劣りしないほどに心に安らぎを与えてくれる。
―――この街では数週間前に武力衝突が発生した。死者は30名、うち企業直属の戦闘部隊からの殉職者が3名。10人は武装集団の人員で、17人が民間人だ。さらに意識不明の重体が8人。彼らの容体は未だ回復しない。治療費を払いきれずに家を売った者がいたそうだ。
気にすることはない、よくある話だ。この世界はいつもこうなのだ。人々は全てが与えられた空間にいる錯覚を覚えるが、その足元は薄氷のごとく脆い。ひとたび煌びやかな明かりから目を離せば、様々なものが見えてくるはずだ。暴力、腐敗、苦痛。そのすべてをこの世界は許容する。
光が強くなるほどに影は濃くなる。だが、その逆は真ではない。ΨI/ONETにようこそ。今、あなたの目には何が見える?